オーストラリアの続き
スキューバダイビングではバディといって参加者を二人一組に分ける。何の嫌がらせか、小栗はトシ子とバディにさせられた〓
トシ子は黄色のワンピースの水着がよく似合い、リアル、ドラミちゃんだった。
バディは相手が空気タンクを背負うときに手伝わなければいけないのだが、そのとき何度も後ろから海に突き落としたくなる衝動に駆られた。
レッスンが進んで、ついに海底デビュー。やってみて知ったのだが、小栗のように痩せている人間は沈みやすい。体に重りをあまりつけなくても、潜りだすと急降下。ヤクザに沈められたように鉄の重りを腹のまわりにびっしりぶら下げてもなかなか沈んでこないトシ子を、いつも海底で待った。ついに海底の寒さと、海底にいるナマコの気持ち悪さにトシ子を待たずに泳ぎ出してしまった。
必死の形相でおいかけてくるトシ子。しかし水の抵抗は残酷だ。重りなしで軽く泳ぐ小栗には追い付けない。トシ子を気にせず泳ぐことで初めてオーストラリアの海の美しさを実感できた。サメや海亀は、デブよりも美しい。
(続く)
トシ子は黄色のワンピースの水着がよく似合い、リアル、ドラミちゃんだった。
バディは相手が空気タンクを背負うときに手伝わなければいけないのだが、そのとき何度も後ろから海に突き落としたくなる衝動に駆られた。
レッスンが進んで、ついに海底デビュー。やってみて知ったのだが、小栗のように痩せている人間は沈みやすい。体に重りをあまりつけなくても、潜りだすと急降下。ヤクザに沈められたように鉄の重りを腹のまわりにびっしりぶら下げてもなかなか沈んでこないトシ子を、いつも海底で待った。ついに海底の寒さと、海底にいるナマコの気持ち悪さにトシ子を待たずに泳ぎ出してしまった。
必死の形相でおいかけてくるトシ子。しかし水の抵抗は残酷だ。重りなしで軽く泳ぐ小栗には追い付けない。トシ子を気にせず泳ぐことで初めてオーストラリアの海の美しさを実感できた。サメや海亀は、デブよりも美しい。
(続く)
スポンサーサイト