台湾 完結

「小栗ー。やっぱり台北は都会すぎて、あっちの方は楽しめないようだなー。」
ホテルのボーイに騙されて翌晩、さすがの川飛君も台北が東京よりも風営法が厳しい都市であることに気づいた。
「ちょっと、台北離れて探しに行こうぜー。」
台北駅から鉄道に乗って、郊外のKという都市へ行った。
「夜はローカル屋台で盛り上がり、古きよき台湾文化を感じられる」とガイドブックに書いてあった。
それを読み「ここなら、感じられるよー。」根拠のない自信で盛り上がる川飛君。
これはまだ台湾新幹線ができる10年前の話しである。1時間ほど、総武線の千葉から先みたいな電車に揺られついた。
ついたら後は彼の鼻のにおいを信じてついていった。屋台街のはずれに丘があった。丘の頂上にぼんやりと灯りがともっていた。タクシーに乗り車道の最後まで丘を登り、後は徒歩で頂上をめざした。途中、野外プレイの最中のカップルをみかけると、もう小栗が何を言っても彼は止まらなかった。道なき道を登って行った。
頂上につくと・・・・そこにはライトアップされた仏像が座っていた。。。迎えの車など来ない、山頂で呆然と立ち尽くす。
あれから10数年、川飛君とはその後会っていない・・・・(FIN)
台湾は新幹線が開通し、ますますあっちの方はご無沙汰のようである。
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